FOR TWO
ふたり暮らしの「当たり前」を、一度やめてみる。
mai|二級建築士
外で一日頑張って、疲れて家に帰ってくる。
本当なら家は、一番ほっとできる場所であってほしいと思います。
でも、暮らしと家が合っていないと、
相手が寝ているから音を立てないようにする。洗面を使いたいけれど、順番を待つ。一人になりたいけれど、居場所がない。片方がテレビを見ている横で、もう片方は仕事をする。
小さな我慢や気遣いが、毎日の中に少しずつ積み重なっていく。
外で疲れて帰ってきたのに、
家の中まで、少し戦場になってしまう。
でもそれは、ふたりの相性だけが原因ではないのかもしれません。
もしかすると、暮らしに家が合っていないだけかもしれません。
ふたり暮らしには、「当たり前」がたくさんある
家を考えていると、いつの間にか当たり前になっていることがあります。
夫婦なら、寝室は一緒。ふたり暮らしなら、トイレはひとつ。
個室をつくるなら、最低でも4.5畳くらい。リビングでは、ふたりで一緒に過ごす。
でも、本当にそうでしょうか。
ふたりの生活時間が違うなら、寝室を分けたほうがよく眠れるかもしれません。
朝の支度が重なるなら、洗面やトイレのあり方を考えたほうが、毎日のストレスは減るかもしれません。
一人になるための場所なら、必ずしも4.5畳の「部屋」である必要はないかもしれない。
小さな居場所でも、扉を閉められる場所でも、少しだけ相手との距離をとれる場所でもいい。
「普通はこうだから」ではなく、
自分たちには、どうだろう。
と考えてみる。
それだけで、家のつくり方は変わります。
一緒に暮らすことと、ずっと一緒にいることは違う
ふたりで暮らすからといって、いつも同じ場所にいる必要はありません。
一緒にごはんを食べたい日もある。
それぞれ好きなことをしていたい夜もある。
近くにいるだけで安心する日もあれば、今日は一人で静かに過ごしたい、という日もある。
そのどちらかを選ぶのではなく、どちらも選べる家であっていい。
一緒にいたいときには、自然と一緒にいられる。
少し離れたいときには、無理なく離れられる。
FOR TWOで大切にしたいのは、そんな距離です。
我慢ではなく、家のほうを変えてみる
暮らしていると、
「夫婦なんだから仕方ない」「家が狭いから仕方ない」「みんなこんなものだろう」
と思ってしまうことがあります。
でも、毎日同じところでストレスを感じるなら、人が我慢するのではなく、家のほうを変えられるかもしれません。
寝る時間が違うなら、寝室を考える。
朝の支度が重なるなら、水まわりを考える。
それぞれに一人の時間が必要なら、距離の取り方を考える。
家族のかたちに暮らしを当てはめるのではなく、
ふたりの暮らしに、家を合わせていく。
そのほうが自然だと思います。
ふたりを、ひとつにしすぎない
「ふたり暮らし」という言葉を見ると、ふたりをひとつの単位として考えたくなります。
でもそこにいるのは、それぞれ違う二人の人です。
生活時間も、好きなことも、心地よい距離も違う。
だからFOR TWOでは、
ふたりをひとつにまとめるのではなく、
「個」と「個」が、どうすれば心地よく一緒に暮らせるのか。
そこから家を考えます。
寝室が一緒でもいい。別々でもいい。
トイレがひとつでもいい。ふたつあってもいい。
個室が4.5畳あってもいいし、もっと小さな居場所でもいい。
答えは、家族の常識の中にあるのではなく、そのふたりの暮らしの中にあります。
家に帰ったら、力を抜けるように
家は、一日の最後に帰ってくる場所です。
だからこそ、
誰かに合わせ続けなくてもいい。少しくらい別々でもいい。一人になりたい日があってもいい。
ふたりでいることを大切にしながら、一人でいられることも大切にする。
家に帰ったら、力を抜ける。
そんな家にするために、
ふたり暮らしの「当たり前」を、一度やめて考えてみてもいいのではないでしょうか。
FOR TWOは、ふたりのための部屋数ではなく、「個と個のあいだ」を考える家づくりです。