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金利が上がる今、家の大きさを考え直してみる。
mai|二級建築士
家を建てるなら、広いほうがいい。
せっかくなら、もう一部屋。
収納もたくさんあったほうがいい。
LDKもできるだけ広く。
これまでの家づくりでは、「できるだけ大きく」が、ひとつの豊かさだったように思います。
でも、住宅価格が上がり、住宅ローンの金利も上がり始めた今。
そろそろ一度、
「自分に本当に必要な家の大きさって、どれくらいなんだろう?」
と考えてみてもいいのかもしれません。
4,000万円借りたら、いくら返す?
たとえば、4,000万円を住宅ローンで借りるとします。
元利均等返済・ボーナス返済なし、金利が全期間変わらないものとして単純計算してみると、
借入額 | 金利 | 期間 | 月々の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|---|---|
4,000万円 | 1.00% | 35年 | 約11.3万円 | 約4,742万円 |
4,000万円 | 3.46% | 35年 | 約16.4万円 | 約6,904万円 |
4,000万円 | 3.46% | 50年 | 約14.0万円 | 約8,416万円 |
同じ4,000万円を借りても、金利や返済期間によって、最終的に支払う金額は大きく変わります。
3.46%で35年なら、利息だけで約2,900万円。
50年に延ばせば、毎月の返済額は少し下がります。
でも、総返済額は約8,400万円になります。
もちろん、50年ローンが悪いという話ではありません。
毎月の負担を抑えたり、手元にお金を残したり。
長く借りることにもメリットがあります。
ただ、返済期間を延ばす前に、もうひとつ考えてみたいことがあります。
「いくら借りるか」を小さくできないだろうか。
たとえば、借入額そのものを2,000万円にできたら。
同じ3.46%、35年で計算すると、
月々の返済は約8.2万円。
総返済額は約3,452万円です。
金利は、自分では決められません。
これから金利がどう動くのかも、正確には誰にもわかりません。
でも、
どんな家を建てるのか。
どれくらいの大きさの家を建てるのか。
そこには、自分で考えられる余地があります。
家を買った、その先にも暮らしは続く。
私は、ここがいちばん大切だと思っています。
家を建てることは、人生のゴールではありません。
家が完成した次の日から、そこでの暮らしが始まります。
旅行にも行きたい。
好きなものも買いたい。
おいしいものも食べたい。
趣味を楽しんだり、ときには仕事を休んだり。
これから先、暮らし方が変わることだってあります。
せっかく家を建てたのに、住宅ローンを払うために、その先の暮らしが苦しくなってしまったら。
それは、少し本末転倒な気がします。
家のために暮らすのではなく、
暮らしのために家がある。
だから私は、「いくらまで借りられるか」だけではなく、
「どれくらいなら、心地よく返していけるか」
から家を考えることも、大切だと思っています。
ひとりなら、「普通の家」の大きさも疑ってみる。
特に、ひとりの家を考えていると感じます。
本当に、30坪必要だろうか。
使わない部屋はないだろうか。
ほとんど通るだけの廊下は必要だろうか。
「家にはこれがあるものだから」でつくっている場所はないだろうか。
必要なものを削る、というより、
自分に必要なものを選んでいく。
そうやって暮らしから考えていったら、13坪や15坪でも、自分には十分な家になる人がいるかもしれません。
小さな家は、我慢するための家ではありません。
大きさに使っていたお金を、好きなキッチンやお風呂、家具、庭に使ってもいい。
あるいは、家には使わず、その先の人生のために残しておいてもいい。
金利が上がる今だからこそ。
「35年では月々が高いから、50年にしよう」
それもひとつの方法です。
でも、その前に。
そもそも、自分にはどれくらいの家が必要なんだろう。
そんなところから考えてみるのも、ひとつの方法だと思います。
戸建てから、個建てへ。
家族の人数や「普通の間取り」から家の大きさを決めるのではなく、ひとりひとりの暮らしから、必要な大きさを考えていく。
金利が上がっていく今だからこそ、
何年で返すかを考える前に、
何を、どれだけ建てるのか。
そんな家づくりが、これからもっとあってもいいと思っています。
※返済額は元利均等返済・ボーナス返済なし・記載の金利が全期間変わらないものとして計算した概算です。実際の住宅ローンの返済額は、適用金利、金利タイプ、融資条件、手数料等によって異なります。