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金利が上がる今、家の大きさを考え直してみる。

mai|二級建築士

2026/9/22

家を建てるなら、広いほうがいい。

せっかくなら、もう一部屋。
収納もたくさんあったほうがいい。
LDKもできるだけ広く。

これまでの家づくりでは、「できるだけ大きく」が、ひとつの豊かさだったように思います。

でも、住宅価格が上がり、住宅ローンの金利も上がり始めた今。

そろそろ一度、

「自分に本当に必要な家の大きさって、どれくらいなんだろう?」

と考えてみてもいいのかもしれません。

4,000万円借りたら、いくら返す?

たとえば、4,000万円を住宅ローンで借りるとします。

元利均等返済・ボーナス返済なし、金利が全期間変わらないものとして単純計算してみると、

借入額

金利

期間

月々の返済額

総返済額

4,000万円

1.00%

35年

約11.3万円

約4,742万円

4,000万円

3.46%

35年

約16.4万円

約6,904万円

4,000万円

3.46%

50年

約14.0万円

約8,416万円

同じ4,000万円を借りても、金利や返済期間によって、最終的に支払う金額は大きく変わります。

3.46%で35年なら、利息だけで約2,900万円。

50年に延ばせば、毎月の返済額は少し下がります。
でも、総返済額は約8,400万円になります。

もちろん、50年ローンが悪いという話ではありません。

毎月の負担を抑えたり、手元にお金を残したり。
長く借りることにもメリットがあります。

ただ、返済期間を延ばす前に、もうひとつ考えてみたいことがあります。

「いくら借りるか」を小さくできないだろうか。

たとえば、借入額そのものを2,000万円にできたら。

同じ3.46%、35年で計算すると、

月々の返済は約8.2万円。
総返済額は約3,452万円です。

金利は、自分では決められません。

これから金利がどう動くのかも、正確には誰にもわかりません。

でも、

どんな家を建てるのか。
どれくらいの大きさの家を建てるのか。

そこには、自分で考えられる余地があります。

家を買った、その先にも暮らしは続く。

私は、ここがいちばん大切だと思っています。

家を建てることは、人生のゴールではありません。

家が完成した次の日から、そこでの暮らしが始まります。

旅行にも行きたい。
好きなものも買いたい。
おいしいものも食べたい。

趣味を楽しんだり、ときには仕事を休んだり。

これから先、暮らし方が変わることだってあります。

せっかく家を建てたのに、住宅ローンを払うために、その先の暮らしが苦しくなってしまったら。

それは、少し本末転倒な気がします。

家のために暮らすのではなく、
暮らしのために家がある。

だから私は、「いくらまで借りられるか」だけではなく、

「どれくらいなら、心地よく返していけるか」

から家を考えることも、大切だと思っています。

ひとりなら、「普通の家」の大きさも疑ってみる。

特に、ひとりの家を考えていると感じます。

本当に、30坪必要だろうか。

使わない部屋はないだろうか。
ほとんど通るだけの廊下は必要だろうか。
「家にはこれがあるものだから」でつくっている場所はないだろうか。

必要なものを削る、というより、

自分に必要なものを選んでいく。

そうやって暮らしから考えていったら、13坪や15坪でも、自分には十分な家になる人がいるかもしれません。

小さな家は、我慢するための家ではありません。

大きさに使っていたお金を、好きなキッチンやお風呂、家具、庭に使ってもいい。

あるいは、家には使わず、その先の人生のために残しておいてもいい。

金利が上がる今だからこそ。

「35年では月々が高いから、50年にしよう」

それもひとつの方法です。

でも、その前に。

そもそも、自分にはどれくらいの家が必要なんだろう。

そんなところから考えてみるのも、ひとつの方法だと思います。

戸建てから、個建てへ。

家族の人数や「普通の間取り」から家の大きさを決めるのではなく、ひとりひとりの暮らしから、必要な大きさを考えていく。

金利が上がっていく今だからこそ、

何年で返すかを考える前に、
何を、どれだけ建てるのか。

そんな家づくりが、これからもっとあってもいいと思っています。

※返済額は元利均等返済・ボーナス返済なし・記載の金利が全期間変わらないものとして計算した概算です。実際の住宅ローンの返済額は、適用金利、金利タイプ、融資条件、手数料等によって異なります。

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